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「子どもと一緒に学ぶ」 校長 田代 雅規

「子どもと一緒に学ぶ」

校長 田代 雅規

 

 いよいよ明日は都立高校の一般受検となります。1・2年生は来週から学年最後の定期テストとなります。全国学力調査の調査結果でも最近の生徒は、自分の意思で、自分の力で学習に取り組む姿勢が弱いと報告されています。

 以前、最初の学校で担任した生徒と同窓会で会いました。彼女は、二児の母です。悩みの種は、我が子の勉強のことで、成績が上がらないし、勉強する時間も少ないとのことでした。

 私は、塾任せにしないで「子どもと一緒に勉強に付き合ってみたら」と助言しました。もちろん、一緒に勉強しなさいというわけではなく、子どもが「もういいよ!」と言うまで、一緒に付き合ってみたらどうかと話しました。傍で黙って本や新聞を読んでいる。時には、夜食を差し入れる。子どもがわからないと言えば、教科書やノートでも見て一緒に探してあげるくらいのことです。

 後日、彼女から連絡をもらいました。「子どもと一緒に起きているのはとても辛かったです。」というのが第一声でした。でも、娘さんは何も言わずにテスト勉強をしていたそうです。そして、さすがに疲れて母親がウトウトしていると、黙って自分のジャージを掛けてくれたそうです。

 自分一人の力で勉強に取り組める子どももいますし、勉強を教えることのできる保護者もいます。

けれども、外野席から「勉強しなさい」「そんなことでは成績は上がらないよ」「同じクラスの○○さんは頑張っているのよ」等と声をかけるより、何もできなくても子どもと一緒にいる方が、子どもの心を理解できるのではないでしょうか。

 新聞に高校生の百人一首が紹介されていました。

頑張れと口では言わない母だけど、とんかつ揚げる音で励ます。

 子どもは子どもなりに親の思いや自分への期待を感じ取っているものです。だからこそ、焦りやプレッシャーも感じるのです。「期末テスト」を一つのチャンスにして「親子で一緒に勉強に挑戦してみる」、もしかしたら「思い」を共有できる最高の機会になるのではないでしょうか。

 

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